日の丸

100歳誕生日平成二三年 七月十五日

 桜、満開。水仙が咲き乱れる「遠野物語」の天国のような世界から車で少し下ると、そこは地獄だった。
 地震、津波、火災と三重苦の大槌町。自動車さえ溶けていたのに「クレヨンを探す」というお孫さんと一緒のおばあちゃんと出会いました。支援物資なのでしょうか、お孫さんはキティブランドですっぽり覆われていました。現場との対比が痛々しさをさらに増しました。

 ポートレート撮影のポイントは、瞳に映るキャッチライト。東京に戻って大伸ばしの写真を見て、はっと眼が座りました。
 彼女の瞳に映っていたのは、憎いほどの青空と地獄そのものでした。
 彼女と文通をはじめることにしました。

 3月からFacebookを始めました。なんといっても実名登録が魅力。公開される「友だち」とリンクしてるので、ハンドルネーム登録も不可能なのでしょうね。「友だち」登録が100人を超える人もおりますが、僕は10数人。でもこの中に「友だち」っているのかなぁ。

 被災地

平成二三年 五月十五日

輪郭の飾り

 

日の丸

 アフリカの血を濃厚に引き継ぐオバマ大統領の演説でした。

 「極東に向かって旅立ち、史上最強の敵と交戦する。 ────人間同士の無数の差異など瑣末事でしかないことを痛感させ、共通の利益というものの意味を実感させてくれた。
そしてさらに、歴史の方向を変え、人間であることがどういうことかをも定義し直してくれた。 ────今日このときより、世界の諸民族と諸国家がいかに深く相互に依存しあっているかを、我々は決して忘れることがないだろう。」
 アメリカ軍作戦名 「Operation Tomodachi」

 我がワン公が逝き、35年来の友人、知人が相次いで急死し動揺を引きずっていた最中の大震災は、我が事としてとらえなければなりません。ニュース番組で放映された赤い上着の少女が海に向かって「おかあさん、おかあさーん」と泣き叫ぶ姿が、胸底に深く、深く刻まれました。

 「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。」と陛下のおことば。春の園遊会も中止となり、僕の周辺でも陛下に習い飲酒をともなった会合などは、中止となっております。

 陛下の「分かち合う」とは、まさにご聖断なのであります。自分の家族を被災者として想像すれば、自ずと取るべき行動・判断を自覚すると確信します。

 感動したのは、世間から比較的はみ出し者扱いされている若者たちがネットを利用して救援の和を構築していることでした。このリレーがかなりの貢献をしているとニュースは繰り返して伝えておりました。些少ですが、協力もさせていただきました。

 思えば、オーム事件で若い信者たちの彷徨いが全国的に問題になった時、名刹の高僧と称される人たちは、ただただお経をあげているだけでした。己を高めることはできるかも知れませんが、オームが巨大になったお布施のメカニズムに縛られている証左を、自ら曝したわけですね。

 残る思いは、日本の叡智を結集して原発霧消阻止を祈るばかりです。

平成二三年 三月十五日

輪郭の飾り

 


月の湯

 馴染みの銭湯が雑誌にでっかく載ってました。我がことのように嬉しいですね。外観、内装とも絵に描いたようなお風呂で、タイル絵も折り目正しい富士山で風格さえ感じます。ラーメン屋、酒屋さんのブリキ広告板も泣かせます。

輪郭の飾り

雑誌

 銭湯へ向かう途中にある図書館には必ず寄ります。雑誌を閲覧していたら、な、なんと齋藤宗厚先生と若女将が。ご両人、ますます意気(粋)盛んでありました。
 齋藤ご夫妻は来月に金婚式をお迎えします。もちろんお祝いに駆けつけます。会場のホテルは銭湯より数分ですので、ひと風呂浴びてお祝いに駆けつけます。

そうそう、齋藤先生といえば、テレビでお餅のお話でした。

 

輪郭の飾り

雑誌

 丼選手権なるものを取材をかねて見学。数点味見しましたが、この混雑のなかで戴いても美味しくはありませんでした。賑わいは相当なものでしたが、行って損しました。優勝したウニ、イクラ丼も具材がお粗末でしたが、さらにガッカリしたのは、お米がおいしくなかったのでした。
 お土産で買ってきたダシ昆布は満足でしたが……。

平成二三年 二月二十八日

 

輪郭の飾り

 


国母選手

 あけまして、おめでとうございます。
 写真は「ベンジャミン・バニーにおしおき」「セシリ・パセリのわらべうた」などなどの僕の磁器小像のコレクションで世界一有名なウサギなのです。彼と一緒に湖水地方に旅したことを思い出しました。
 ナショナル・トラストって、賢明な運動であることを彼らから学びましたが、日本でも鎌倉、知床半島など全国各地に55の団体が活動をしているようです。
 浅間山麓での生活も20年を超しましたが、こちらは景観法導入の運動で精一杯ですね。


 

輪郭の飾り

 


国母選手

 親戚の子供たちにいつも狙われていたのですが、みな大きくなったせいか、安堵している茶器セットが上の写真です。
 そういえば、『ジンジャーとピクルズやのおはなし』に登場するやまねのジョンさんの家に泊まったことがありましたが、お隣の家だけが絵本に登場していないのです。で、翌日カフェになっている隣家を訪ねました。80歳くらいのおばあちゃん(ミス・モーリー)がお茶をいれてくれました。
 「ポターさんにさんざんイジメられましたよ。」と深い皺を刻みながら笑っておりましたね。(25年前の話。)

 独り言でも10年以上前の回顧が増えましたが、なに、僕は100年先の人生図面を再々トレースしているのであります、はい。

 今年も、よろしくお願いいたします。

平成二三年 元旦

 

輪郭の飾り

 



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