アフリカの血を濃厚に引き継ぐオバマ大統領の演説でした。
「極東に向かって旅立ち、史上最強の敵と交戦する。 ────人間同士の無数の差異など瑣末事でしかないことを痛感させ、共通の利益というものの意味を実感させてくれた。
そしてさらに、歴史の方向を変え、人間であることがどういうことかをも定義し直してくれた。 ────今日このときより、世界の諸民族と諸国家がいかに深く相互に依存しあっているかを、我々は決して忘れることがないだろう。」
アメリカ軍作戦名 「Operation Tomodachi」
我がワン公が逝き、35年来の友人、知人が相次いで急死し動揺を引きずっていた最中の大震災は、我が事としてとらえなければなりません。ニュース番組で放映された赤い上着の少女が海に向かって「おかあさん、おかあさーん」と泣き叫ぶ姿が、胸底に深く、深く刻まれました。
「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。」と陛下のおことば。春の園遊会も中止となり、僕の周辺でも陛下に習い飲酒をともなった会合などは、中止となっております。
陛下の「分かち合う」とは、まさにご聖断なのであります。自分の家族を被災者として想像すれば、自ずと取るべき行動・判断を自覚すると確信します。
感動したのは、世間から比較的はみ出し者扱いされている若者たちがネットを利用して救援の和を構築していることでした。このリレーがかなりの貢献をしているとニュースは繰り返して伝えておりました。些少ですが、協力もさせていただきました。
思えば、オーム事件で若い信者たちの彷徨いが全国的に問題になった時、名刹の高僧と称される人たちは、ただただお経をあげているだけでした。己を高めることはできるかも知れませんが、オームが巨大になったお布施のメカニズムに縛られている証左を、自ら曝したわけですね。
残る思いは、日本の叡智を結集して原発霧消阻止を祈るばかりです。
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