駅前で「待つ」というと忠犬のハチが有名だね。
今日は駅前のスーパーにオフクロさんと来たんだけど、駅って忙しそうだね。
今月はボクにとって「待つ」ってなんだろうって考えたわけ。
メシ、散歩に関しては、たしかに待っているな。でも今月の表紙写真のイメージで考えると「待つ」の対象は人間サマが適当かな。
でも、オヤジさまから聞いたんだけど、本当に待ってた仲間がいるんだ。
3日も倒壊した家の下敷きになって、水もメシも食べれなかったようだ。そう、あの阪神大震災のことだよ。なんとその仲間も名前はポチといい、今年で18歳になった柴犬だってさ。やっぱ年寄りなので、ほとんど小屋で寝ているらしいが、食欲はボクとおなじように旺盛だって。
オヤジさまがカメラを向けた時だけ、面倒くさそうに目を開けたようだが……
芦屋に住んでいるらしいのでなんとなく気品はあったが、写真を見ると年は隠せないな。
でも、頑張って長生きしてね。大震災にも耐えたのだから。

オフクロさんは何を買っているのかな。
ボクが好きなパンかな、肉マンかな。
でもボクはオフクロさん、パン、肉マンのどれを待っているのだろう。ボクがきたころの駅は木造だった。
乗降客も今の3分の1くらいだったかな。
今は人サマの種類を観察できるほどだ。
それにしても、待っている人サマの無意識の表情っておもしろいな。ケイタイがお守りのように見えたから不思議だっだ。

 

阪神大震災にも負けなかった芦屋のポチ殿だ。18歳の重厚な貌だな。
家は全壊し、その下敷きになって3日も耐えたんだからすごい。ご主人サマの新しい家は世界的に著名な建築家によって建てられたが、芦屋のポチ殿の家は建て売りらしい。でも水まわりを整備した彼の環境は、とても清潔だったとオヤジさまが言っていた。
芦屋のポチ殿は、なにを待っているのだろう。

 


 

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オヤジさまからのプレゼントだよ。

 


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