ル・プロコープ
13 Rue de l'Ancienne Comédie 75006 PARIS TEL 01 40 46 79 00
ラ・フォンテーヌ、ルソー、バルザック、ユゴー……
錚々たる面々が常連客リストに載っていた
![]() シェ・ゾピ Chez Zoppi と呼ばれていた
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「この部屋の向かい側、ちょうどあの辺りにマラーの印刷所がありましてね、彼はよくここで書きものをしていました」。 裏通りに面した古い建物を指差しながら、まるで当時を知っているかのように語る支配人。3階奥のダイニングには活字ケースが飾られ、マラーの印刷所で使われていた活字がきれいに並べられていた。
パリ左岸、サンジェルマンとカルチェ・ラタンの間にあるオデオンの交差点に、イタリア貴族のフランチェスコ・プロコピオ・ディ・コルテッリがカフェを開いたのは、もう3世紀以上も昔のこと。世界で最も古いといわれるこのカフェは、フランス史に名を残す多くの思想家や政治家たちの集いの場であった。
ル・プロコープには歴史を物語る様々な品が飾られている。すべてを知るためには1日かけても終わりそうになかったので、今度は地下の厨房を案内してもらうことにした。白いタイル貼りの滑りやすい通路を進んで行くと、そこには黙々と働く大勢の料理人たち。こちらを横目でチラリと見ただけで、みんな仕事に熱中していた。
運ばれてきたのは大きなムール貝のグリル バジリコ風味。香り付けのためにコニャックをふりかけ、火をつけるという演出を見せてくれた。ここで食事をしていたのは、"文学カフェ" に相応しく、きちんとした身なりの賢そうなフランス人ばかり。どうやら観光客は1階のメインダイニングと決まっているようだった。 |
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