透き通った貴婦人の白い肌、典雅な金彩、繊細優美な薔薇の意匠。
ヴェルサイユの食卓を彩る器たちに魅せられて、
僕の旅は始まった・・・・ロココの賛を究めたセーブル窯。
純白の陶土に恵まれた磁都リモージュ。
土のぬくもりをも感じさせる商仏プロヴァンスの素朴な陶器。
この国を旅するとは誰にも気兼ねしない悦びを学ぷことでもあった。
ポーヌ・シャンス(乾杯)!
第二巻 イギリス編 発売中 第三巻 ドイツ編 発売中 第四巻 南欧編 発売中 第五巻 北欧編 発売中 第六巻 トルコ編 発売中 ※ 定価
920円 (税込み)
第一巻
フランス編
ロココの華が生んだ青
発売中
女王陛下の愛した器
東洋の白に憧れて
半島の光と影
白夜に咲く藍の花
文明の交差点に眩惑を感じて
…………王朝風といっても、ここの金彩は妙に華美にならずひかえめで、リモージュの特徴である澄んだ白と金は、茶道具としても使える、ということだ。 パリに戻ったらO嬢の点前で一服戴くことにしよう。 〜
「ベルナルド窯」より抜粋 〜
小さな茶入れや、建水、菓子鉢、水指などデザインが西洋に徹するほど、なぜか東洋の世界に溶け込んでくる、とも力説する。
あるデザイナーが「超モダンとハイプリミティブは同調する」と言っていたが、なるほど、と思う。
ベルナルドの花柄のサラダボールに塗蓋をあしらえば、その時、水指となるだろう。
夜咄のテーマは「ミーハーと花」だ。
午後五時、窯の火が落とされる。
リモージュの冬の陽は短いが、街の夜は長い。
Bernardaud
第一巻 フランス編
SOMMAIRE 鍛えに鍛えられた "貌"
の器たち・・・・・・はじめに 8
ナボレオンも消さなかったヴェルサイユの炎・・・・・・セーブル窯 10
パリ「美しき時代」・・・・・・オルセー美術館とルーヴル・アンティーク 19
シャンパンの神髄・・・・・・パリの名門 ホテルプラザ・アテネ 28
ロココ人の息吹 36
王家の食卓展・・・・・・ヴェルサイユ 46
「トロワ・マルシェ」の復刻王朝料理・・・・・・ヴェルサイユ 49
最初の軟質磁器・・・・・・ルーアン陶器 51
クリスタルのふるさと・・・・・・バカラ 57
由緒正しき血統の宿・・・・・・プライヴェート・シャトーを巡って 63
「シヤトー・ド・ラ・ブールバンセ」・・・・・・プライヴェート・シャトーを巡って 70
七宝焼の「屋根の穂」・・・・・・ノルマンディ陶器工房 76
柔らかさと温かみのある "青" ・・・・・・ジアン窯 86
純白の陶土の発見・・・・・・磁都リモージュヘの道 95
ニューヨーカーの創設した窯・・・・・・アヴィランド窯 100
美食家たちの器・・・・・・ベルナルド窯 107
国立アドリアン・デュブシェ美術館 113
フォアグラに上等のワインを・・・・・・サルラからポイヤツクヘ 118
プロヴアンスの小さな聖者−サントン人形 122
プロヴアンスの谷間の小さな村・・・・・・ムステイエ 128
ピカソが甦らせた村・・・・・・ヴァロリス 133
マドゥーラ窯とピカソ美術館 140
マーグ財団美術館 145
陶芸の旅寵・・・・・・コリウール 148
コクトーの礼拝堂・・・・・・コート・ダジユールから 155
イタリアとの国境の町・・・・・・コクトー美術館 159
コート・ダジュールのレストラン・・・・・・「ムーラン・ド・ムージャン」 166
誰しもが朝飯評諭家・・・・・・南仏のプチホテル 172
フランスの利休、ベルナール・パリシー・・・・・・フランス陶磁史 176
「一流」について思う 184