「ピラカンサの赤い実ともみじ」
毎年晩秋の頃になりますとピラカンサは小さくて真っ赤な実を枝も折れんばかりにどっさりと付けます。この木には1センチほどのとても鋭い棘がありますので、鳥たちも一気に群がって食べることが出来ません。
そのせいか南天や千両の実などはあっという間になくなってしまいますが、ピラカンサの実は結構長いこと安泰です。10月頃には青々とした葉がすがすがしいもみじも12月の声を聞く頃にはすっかり色づき、まるで艶やかな衣装をまとっているようです。
12月は「師走」、他に「極月」、「春待月」、「梅初月」、「雪月」などと呼ばれています。毎年12月は綿密に予定を立て、今年こそは晦日あたりのやっつけ仕事をなくそうと意気込んでかかるのですが、出来たためしがありません。
どうしたことでしょう‥‥‥
冬至は一年で最も昼間の短い日ですが、陰きわまって陽に転ずるといい、この日は「一陽来復」といわれお目出度い日でもあるそうです。寒さも極まった頃、すでに土の中では次の春に向けて命の芽生えが始まっています。
自然を肌で感じる、季節の移ろいを感じとる、昔の日本人は自然と共存することで農耕のタイミングを計り、祭事を行い生活様式を組み立ててきました。そしてその中から「花鳥風月」を愛で美意識にまで高めていくという独特の感性が磨かれてきたのです。
現在私たちは自然にたいしてそれほど敏感でなくても生きて行けます。
が、「感じる」という感覚を意識することの大切さを最近私は実感しているのです。
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