最近思うこと・・・。
さて今年も最後の月、師走になってしまいました。「光陰矢の如し」と申しますが、この速さは一体何なんでしょう!!!!9月あったかしら?12ヶ月のうち3ヶ月くらいは無かったような気が・・・。
最近しみじみ思うことがあります。普段「当たり前」だと思っていることが、実は「当たり前」ではないということです。長く生きていれば「年寄り」になるのは当たり前のことですが、毎日を忙しさに追われてあっという間に「アラフォー」ならぬ「アラ還」に突入した自分に、自分自身が一番驚いてしまっています。どこかに若さに対する未練があり「あと10歳若かったら」なんて思うわけです・・・。
しかしながらこのところ、私よりずっと若いかたの残念なお知らせに接することが多く、「なんで?」という気持ちとともに生きているということが当たり前では無いということを強く感じるのです。実は長生きをするってとっても凄いことなんですよね!生きていたいと思っても叶わなかった人たちのことを考えれば、歳をとることを嫌がるなんて申し訳ないです。
お金も無く、美しさも無く、取り柄もありませんが、とりあえず健康で、毎日沢山ごはんが食べられる自分は本当に幸せで有難いのだと思います。来年から大食いを慎み、軽く運動をし、生かされていることに感謝しながら毎日を送らなくてはと心に誓っています。
『伝統的工芸品チャレンジ大賞』
12月3日〜6日まで両国にあります「江戸東京博物館」において『伝統的工芸品チャレンジ大賞』が開催されます。これは東京都主催の公募展で、来場者の方々による人気投票がありそれによって「賞」が決まるというもので、伝統工芸品の職人を後押しするために作られた会です。
私は今回「押絵」を用いたマグネット式華紋「江戸華紋」を出品しています。大津絵風の鯛を抱えた「恵比寿さま」で、衣装には古布を用いて味を出しています。美しい柄の布に小さく家紋を入れたものも出してあります。お正月や、お目出度いお席にお使いいただけたらと思いつくった物です。
ご都合がよろしかったらどうぞお運びくださいませ。
平成二十一年十二月七日
『歌舞伎はこんなに面白い』
暑い夏が過ぎ、残暑も終わり、ようやく涼しくて過ごしやすい季節、私は10月が一年の中で一番好きな月です!みなさまは如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
さて「日本の伝統文化を楽しむ会」の第一回目「歌舞伎はこんなに面白い、勧進帳」は講師に毎月歌舞伎ワークショップを主催していらっしゃいます塩崎博さまをお招きし、「茶寮一宮庵」にて行われました。25名の方々にお越しいただき、塩崎先生の分かりやすい説明や歌舞伎の裏話などに笑ったり感心したり、二時間の講演はあっという間に過ぎてしまいました。
「勧進帳」は日本人に最も好まれる歌舞伎の演目です。主を命がけで守ろうとする弁慶と義経を捕らえたい富樫、しかし義経主従のあまりに強い絆に心打たれ情けをかける富樫・・・というストーリーです。
開幕を告げる片しゃぎり(太鼓)が鳴り緞帳が上がりますと、舞台中央緋毛氈のひな壇には、三味線8名唄8名太鼓2名小鼓4名笛1名という長唄囃子連中がずらりとならぶ豪華さ!!
「安宅の関」をもじって「またかの関」というくらい上演も多いですが、何回観ても素晴らしい舞台です。是非一度ご覧になって下さいませ。
茶寮一宮庵の特製料理も大変おいしかったと好評でした。秋の一日、楽しいお話とおいしいお料理をご堪能いただきました。
さて次回は11月8日『和の香の物語』源氏物語を「香」というキーワードで読んでゆくと、そこにはいままで気がつかなかった世界が広がります・・・。講師に銀座「香十」社長稲坂良弘氏をお迎えし、香司代表にして劇作家でもいらっしゃる氏の独自の世界に浸っていただきます。また一宮庵の美味しいお料理を召し上がっていただくという、とても贅沢な企画でございます。皆様のお越しをお待ち申し上げております。
日時・・・平成21年11月8日正午より場所・・・「一宮庵」成城学園前駅徒歩3分
会費・・・6000円(料理含む)お申し込みは当ホームページからお願いいたします。
平成二十一年十月十九日
今年の夏はカラッとした夏の日が少なかったような気がいたします。ジメジメと蒸し暑くそのため何となく体調が優れない方も多かったのではないでしょうか?9月に入りようやく秋晴れの過ごしやすい時期になってまいりました。心身ともに復活の兆し‥‥‥。
「ホンビノス?」さて「ホンビノス」ってご存知ですか?写真にありますように大人の握りこぶし大の大きな大きな貝なのです。
私がしぼんでいた夏の間、我が連れ合いは大潮の日が近づくとソワソワし1人で海へこのホンビノス貝を採りに行っていました。大きなバケツにいっぱい採ってまいります。この貝はとても美味しく大きなアサリといった感じで、焼いたり、酒蒸しにしたり、お吸い物、佃煮など、なにを作ってもボリュームがあり美味です。
最初は珍しくもあり「すごいね!さすが!」などとほめ言葉も連呼いたしましたが、それも夏のあいだに10回も採ってまいりますと、2台ある冷蔵庫のフリーザーは殆ど貝で埋まりありがたみも薄れてきます‥‥‥。もちろんこの海の恵みは佃煮にして皆様におすそ分けし喜んでいただいておりますが。それにしても大きいでしょう?
「日本の伝統文化を楽しむ会」
日本の様々な伝統文化を身近に楽しんでいただき、そして美味しい日本料理いただく会を企画いたしました!
第一回は、「歌舞伎はこんなに面白い。勧進帳」
講師 塩崎博氏国立劇場、歌舞伎座などで毎月「歌舞伎ワークショップ」を主催、その他講演多数。
会費 6,000円
塩崎先生のお話はとても面白いので定評があります。(10年以上毎月参加の方もいらっしゃいます!)
歌舞伎がお好きな方にも、初めての方にもきっとお楽しみいただけると思います。場所は成城の奥座敷「一宮庵」にて開催されます。
雰囲気のあるお茶室での贅沢なひととき、ぜひご参加下さいませ。「一宮庵」はリンクしてありますのでどうぞそちらをご覧下さい。
平成二十一年九月二二日
「香十のショーウィンドウ」
6月26日までです!5月7日から銀座香十のウィンドウを飾らせていただいておりました「Mag華紋」「ほんのり香りタイ」「古袱紗」ですが、6月に入り少し衣替えをいたしました。
ネクタイは白の「新小石川丸の帯」と、「黒地にシルバー、ピンクのボーダー柄の帯」で作りました。
古袱紗は涼しげなブルー地、白地の「二重蔓唐花の金襴」どうぞご覧になって下さいませ。
「歌舞伎のちょっとした話」
よく舞台で、大道具とか小道具とか言いますね。何が大道具で、何が小道具かどこで区別しているかご存知ですか?大道具は、舞台に建っている家、木、風景のように大きい物です。
小道具は、お扇子や下駄や手ぬぐいや傘・・・といった比較的小さな物です。
では、ときどき登場する「馬」は一体どちらでしょう?大きいので大道具でしょうか?
いえいえ実は小道具なのです!
あんなに大きなものが小道具とは?
何をもって大道具小道具の区別するのでしょう!?なるほどとっても簡単なわけ方をしているのですよ。その違いとは、引越しの時に持っていくものは「小道具」、それ以外は「大道具」です。
ですから馬は引っ越す時に連れて行きますので「小道具」なのです。
「小道具」の馬ですが、ご存知のように中には人が入っていて馬の脚をしています。時には役者を乗せなくてはなりませんし、前後で息を合わせなくてはなりませんので中の人はとても大変なのだそうです。
そこで昔から「馬の脚役者さん」には特別なお手当てが出るそうです。このお手当てを「飼馬料」といいます。なんだか洒落てますね。
平成二十一年六月二二日
『銀座香十』
さわやかな5月になりました!と言いたいところですが、例年に比べて暑くないですか?暑がりの私はすでに「扇子」は手放せません。
さて、私にとりまして別の意味でも今年の5月は熱い熱い5月になりそうです。
実は現在「銀座香十」さんのショーウィンドウにおいて私の作品を展示させていただいております。「香十」さんはお香の老舗で、銀座4丁目「コアビル」の4階にありますが、なんとその場所にある5メートルのショーウィンドウに展示です!
今回「お香」を意識して「ネックレスタイ」の後ろ側にポケットを作り、そこに小さいお香が入るような工夫を致しました。
その名も「ふんわり香りタイ」!フレグランスを洋服にスプレーしてしみになってしまったりしたことってありませんか?
ネクタイの後に入った香りはシミが出来る心配もなく、すれ違い様に「ふっ」と香る程度。40センチの金色のチェーンにネクタイが通してあり、少しルーズな感じでYシャツ、セーター、ドレスなどにつけていただきますと、ふんわりとした香りとともにとても存在感のあるお洒落が楽しめます。
「Mag華紋」も大きな6層の屏風の中に納まっています。
コアビルの中には「呉服屋」さんが数件入っておりまして、そのせいかお客様も和服の方が意外と多いのですが、「Mag華紋」は今までになかったおしゃれ紋(アクセサリー)ですので、ショーウィンドウの前で立ち止まって見ていらっしゃる方々は「これは何?どういうものなの?」と一様に言われます。
自分ではMag華紋を作りましてからもう4年近く経ちますので「え?」っと思うのですが、やはりまだまだPR不足だということを痛感いたしました。
銀座には老舗あり、海外のブランド店あり、今話題の人気店ありで土日などは大変な賑わいです。また普段はお高い「高級レストラン」もランチタイムにはとてもリーズナブルなのでこれまたなかなかの混雑振り。
不況不況と言われているいま、この混雑振りに私はなんだかすこしほっとするのです。
活気がありますよね。
「ふんわり香りタイ」と「Mag華紋」、嬉し恥ずかし銀座のショウウィンドーに並んでいます。
銀座にお越しの節はどうぞ「コアビル4階香十」までお運び下さいませ。
平成二十一年五月十三日
『特許!』
かねてより特許出願しておりました「Mag華紋」ですが、ようやく特許庁より特許査定書類が届きました。特許査定というのは特許が取れましたということです。
嬉しい驚き!です!
「審査請求」をしてから3ヶ月で「拒絶」がきました。「拒絶」理由が10項目ほどありそれに対する「意見書」を出します。『Mag華紋』の場合は、マグネット使用のアクセサリーなどの先願がたくさんあることから、どこに新規性があるのかが争点になります。
そこが特許取得の一番の山場です………
頑張りました。
お蔭様でこのたび『Mag華紋』の特許が取れましたことをご報告させていただきます。
『桜さくらサクラ』
昨日、皇居のお堀の桜を見てまいりました。少し汗ばむくらいの陽気で、青空とお堀の水と満開の桜………という景色は本当に見事な美しさでした。
お堀端をぶらぶら歩いていますと真新しい制服を着た新入生(中学校でしょうか)がご両親と連れ立って歩く姿が多く見られ、少し大きめの制服姿はなんとも新鮮でした。
その後、山種美術館の「桜さくらサクラ」展で江戸前期から現代までの画伯による「桜の絵」を見てまいりました。
水辺に咲く桜、すずめと桜、美人と桜、月と桜、夜桜、朝日と桜………等など。
一枚、一枚の絵をじっと見ていますと作者の桜に込めた思いが伝わってくるような気がいたします。
その中の一枚、横山大観『春朝』という作品は他のどの作品とも違いました。作品の左上には真っ赤な朝日が描かれていて、その太陽を後から浴びる形で一本の桜の老木がありますが、その桜の木には桜の持つ甘い雰囲気はありません。
苔の生えた幹は力強く、清々しい空気の中に咲く花は満開の時を過ぎたのでしょうか、葉桜の中にその姿を見せています。私もその清々しい空気の中に一瞬溶け込んだような感じがいたしました。とても印象に残る一枚でした。
葉桜のころ、キャンバスの上に咲く桜のお花見というのも一興ではありませんか?
平成二十一年四月十日
今月のホットニュースは、私が毎月参加している「歌舞伎ワークショップ」の主催者で講師でもいらっしゃる塩崎博先生の、ある会合での卓話が大変面白かったので皆様にもご紹介しようと思います。
『隅田川と歌舞伎』
もともと隅田川は澄田川(大変に水の澄んでいる川だったので)とか、住田川、須田川などと呼ばれていました。よく時代劇に出てくる「大川」は地域住民の愛称です。埼玉県秩父山地から長瀞を経る荒川水系の一部で、北区、足立区、荒川区、台東区、墨田区、中央区を流れ全長23.5キロメートルを隅田川といいます。
隅田川が河川法で「隅田川」と認定されたのは以外に遅く昭和40年のことでそれ以前は荒川の一部という扱いでした。昔は防衛上の問題で川には殆ど橋は架けられず隅田川も「千住大橋」以外は渡し舟を用いて川を渡っており今架けられている橋は渡し場があったところです。
現在、千住大橋から勝鬨橋までに25橋架かっており、人が渡れるのは19橋、他は高速道路や鉄道の為の橋です。この中には清洲橋、永代橋、勝鬨橋のように国の重文に指定されている橋もあります。
さて隅田川の歴史を語るとき外せないのが「浅草寺」と「三社さま」です。平安時代、推古天皇の628年3月18日桧前浜成(ひのくまのはまなり)竹成(たけなり)兄弟が宮戸川(駒方堂のあたり)で投網を打ったところ、1寸8分の金の観音像を拾い上げました。2人の主人である土師直中知(はじのあたいなかとも)に見せたところ深く感動し自らは出家し自宅を寺にしてこの観音像をお祭りしました。
これが「浅草寺」の始まりで、後にこの3人をおまつりしたのが「浅草神社三社さま」なのです。以来この観音像は秘仏として安置され誰も見た者はいないということです。
次に隅田川を舞台にした歌舞伎狂言ですが、ずいぶん多くあります。ご存知『白波五人男』日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸が稲瀬川で勢揃いする場面ですが、実は大川(隅田川)です。
「月も朧に白魚の・・」で有名な『三人吉三』。
『忍ぶの惣太』梅若伝説系列の世話物狂言。
『髪結新三』舞台は永代橋。
『法界坊』歌舞伎では珍しく主役が悪人のコメディー。勘三郎丈がニューヨークで公演して大うけしました!
『将軍江戸を去る』大詰めは水戸へ帰る15代将軍の徳川慶喜が万感の思いで千住大橋を渡ります。
『松浦の太鼓』、『文七元結』・・・など。舞踊では『清元 お染』『常盤津 乗合船』『清元 三社祭り』が有名です。
これだけ多くのお芝居や舞踊になるのですから、江戸時代の人々が隅田川をどれほど身近に感じ親しみを持っていたかが分かりますよね。
現在は地震や台風、集中豪雨などによる水害を防ぐためスーパー堤防が設けられきっと昔の風情は無くなっているのだと思いますが、桜の季節の隅田川は本当に美しいです!
「月も朧に白魚の かがりも霞む春の空 冷てぇ風もほろ酔いに 心持良くうかうかと」
お花見はいかがですか?
『二部式の着物
』
最近、おばあ様世代の方のお着物は着古してあるので処分しますとおっしゃる方いらっしゃいます。たしかに新品のようではありませんが、とても細やかに手入れをされている着物が多いような気がいたします。
例えば裾のほつれを当て布で実にきれいにかがってあったり、袖口の部分だけを新しい布で手当てがしてあったり本当にお着物を大切になさっていた様子が感じられます。
着物はかなり着用されていても手入れが良いものは充分長持ちしますし、絹ものは風合いも良くなんと言っても素敵です。
このような場合私は二部式着物になさることをお勧めしています。写真の着物は知人からの依頼で作りました二部式着物ですが、二点ともシャリ感の有る大島で可愛い感じになりました。
巻きスカートと上着ですので洋服感覚で着ていただけますし、帯をつけるとなかなか本格的な和服です。
二部式の良いところは、着付けの時間がかからない、締め付けないので着心地が良い、着崩れが無い、それでいて和服の美しさはそのまま残る、ということだと思います。
二部式着物で新たな着物ライフをお楽しみください。
平成二十一年三月十日
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