若いころの巻
しっぽしっぽ うーん、どう? といってもウンチングスタイルじゃないぜ! オレのしっぽさ。 凛々しいぐるぐる巻きのしっぽ。フサッと毛足もイカスだろ? <その1> のストーリーでばれちゃったけど、その後オレは夜遊びに行ってしっぽをなくして帰ってきたんだ。 それからはどうもモテなくなっちゃって。 まあ、クロと 出会ったのが立派なしっぽ付きのころで良かったよ。それにどうよこの赤茶色の逞しげな毛並みと直立したお耳! クロだってオレの家来になるわけだよな。
ゴールデンウィークの南房総。おねえさんが「だいこんの花」と信じている(本当かどうかオレたちは知らないよ)菜の花もどきの薄紫の花がたくさん自生しているんだ。
春だ春だ 海辺にお散歩に行くと、この草むらへクロと遊びに行き春の匂いをいっぱい吸い込む。もちろん、ついでに近所のメス犬やライバルオス犬の臭いもチェック。なんか浮かれちゃうよ。 海風とお花と暖かい日差しがいいね。クロもなんかしっぽを振り立てて臭いチェックに余念がない。浮気しないように見張ってなきゃな。
チョイチョイ 浜の家で2匹いっしょの夏休み。クロが小犬の時はすっかり家来にしていたジロウだが、クロは成長すると身の丈もジロウよりひとまわり大きくなった。 トラ毛に胸には白い三日月模様がはいっていた。ジ ロウは惚れた弱みで大好きなクロにやさしくするんだけれどそういう時のクロの反応 はちょっとクール。 お風呂あがりにジロウがクロのお顔や両手を舐めてふいてあげると、迷惑そうな顔してた。でもクロはジロウが具合悪いときはとっても心配そうなんだ。この2匹はお互い誰よりも一緒にいる時間が長かった。 雨戸が閉まった暗い庭で一緒にいるのは2匹だけ。それに15年も食事のときはいつも一緒。2匹いっしょだったから、お互い刺激しあって長生きできたんだね。
「ジロウが赤ちゃんのころ」 「想い出 その1」