若いころの巻


いま、家のおばあちゃんがおやつのおせんべいを持って来てくれたんだ。 
ありつけそうなんで、もう最敬礼だよ。。


しっぽしっぽ


 
うーん、どう? といってもウンチングスタイルじゃないぜ! オレのしっぽさ。
  凛々しいぐるぐる巻きのしっぽ。フサッと毛足もイカスだろ? <その1> のストーリーでばれちゃったけど、その後オレは夜遊びに行ってしっぽをなくして帰ってきたんだ。 それからはどうもモテなくなっちゃって。
  まあ、クロと 出会ったのが立派なしっぽ付きのころで良かったよ。それにどうよこの赤茶色の逞しげな毛並みと直立したお耳! 
  クロだってオレの家来になるわけだよな。
 
 

 


 

ゴールデンウィークの南房総。おねえさんが「だいこんの花」と信じている(本当かどうかオレたちは知らないよ)菜の花もどきの薄紫の花がたくさん自生しているんだ。


春だ春だ


 海辺にお散歩に行くと、この草むらへクロと遊びに行き春の匂いをいっぱい吸い込む。もちろん、ついでに近所のメス犬やライバルオス犬の臭いもチェック。なんか浮かれちゃうよ。 
  海風とお花と暖かい日差しがいいね。クロもなんかしっぽを振り立てて臭いチェックに余念がない。浮気しないように見張ってなきゃな。

 

 

 

 

アタチもついにやって来ました海辺の家。小さいころは他人を見ると唇めくってうなってばかり、しかもあちこち飛んでいってしまう野生犬だったんでなか なか連れて来てもらえなかったの。
この夏はジロウ兄ちゃんといっしょだよ。幸せを噛みしめているところ ヨ。

ガリガリ


 クロの性格は冷静、慎重、周囲に興味しんしんで観察力が鋭い、敏捷でときに大胆。と、ジロウと正反対。 
  いつもひかえめに周りを見ていて学習している。小さいころ、台所の前に繋いでいたら毎日一日中料理の手順をじっと見ていた。クロちゃん、もうお料理できるんじゃないの?、と、問うとだまって下を向いた。
  甘たれ犬のジロウにかまけてほおって置くと、ちょっと離れたところですねていた。で、お手を教えてあげると、とても喜んで正座してお手、おかわり、をするようになった。
  何も言わなくても、近寄ってきたら一生懸命肩ごと回した大きなお手をするようになった。 愛されてる確証がほしかったんだね、それにどうやってコミュニケーションしていいか、わからなかったんだ。しぐさがとってもかわいかったよ。

 

 


オイ、クロちゃん遊ぼうよ。チョイチョイ。ン?アタチはご主人様のほうが気になるよ、横目で観察さ。

チョイチョイ

 浜の家で2匹いっしょの夏休み。クロが小犬の時はすっかり家来にしていたジロウだが、クロは成長すると身の丈もジロウよりひとまわり大きくなった。
  トラ毛に胸には白い三日月模様がはいっていた。ジ ロウは惚れた弱みで大好きなクロにやさしくするんだけれどそういう時のクロの反応 はちょっとクール。
  お風呂あがりにジロウがクロのお顔や両手を舐めてふいてあげると、迷惑そうな顔してた。でもクロはジロウが具合悪いときはとっても心配そうなんだ。この2匹はお互い誰よりも一緒にいる時間が長かった。 
  雨戸が閉まった暗い庭で一緒にいるのは2匹だけ。それに15年も食事のときはいつも一緒。2匹いっしょだったから、お互い刺激しあって長生きできたんだね。