今月のポチは「桜が散った」

 


  

うーん、今年の夏でボクは17歳。
最近、大好きだった散歩も億劫だし、階段を降りるのが一仕事だ。
今も3回はオシッコで外出するけど、ほとんどダッコされながら階段を降りるんだよ。
前足は案配いいんだけど、後ろ足がいうことをきかないし、踏ん張りができないのが悔しいな。
ただ、この季節は公園がいい匂い(飼い主/桜の花ではなく、酔っぱらいの食べ残しです)するので、期待感で足をのばすのですよ。
昨日、グラグラして気になっていた奥歯がポロリととれちゃった。すっきりした感じだし、牛骨とはいわないが、歯ごたえのあるもの落ちてないかな。嗅覚はまだ現役ですからね。まあ、運良く見つけても没収されますが、ね。

満開の桜より、散った桜のほうがボクは好きだ。人間サマは桜に人生を喩えるのが好きなようだが、散った桜は、感傷の対象だけではありませんよ。ほれ、ご覧のように絨毯を敷きつめたようにうつくしいじゃないですか。また木漏れ日が絶妙ですな。散った花にも意地もあるのですよ。

落ちボタンならぬ、落ちツバキもきれいだ。ボクの散歩道には、紀州司という品種のツバキもたくさんある。ツバキの木は神意の現れるものと信じられ、神聖な木として崇(あが)められている、と柳田国男センセイもいっている。

 

足腰は弱っても臭覚は健在だ。うん、猟犬の意地でもあるのですよ。動体視力だってまだまだ自信はあります。散った花びらの奥にいい匂いがしたのですが、獲物はありませんでしたが、自慢の黒々とした鼻にお土産をいただきました。
さすが、シャッターチャンスは逃さないですね、オヤジさま。

 

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オヤジさまからのプレゼントだよ。

 


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