かっぽれ
最近面白いことにはまっています。「かっぽれ」!理屈抜きで面白いです!幕末、大阪の願人坊主(人のかわりにお参りに行ったり、願掛けをしたりする乞食坊主)が江戸浅草に来て住吉大社の「豊年踊り」を大道芸として踊ったことが始まりです。
明治10年豊年斎梅坊主(ほうねんさいうめぼうず)が寄席で踊り拍手喝采!今日ではお座敷芸として人気があります。
最初の写真は世田谷にあります「虎幻庭」で行われました『江戸芸かっぽれと幇間芸(太鼓持ち)』です。見事なお庭に佇む日本家屋、美味しいフランス料理をいただいたあとお座敷芸が始まります。
光江流江戸芸かっぽれ家元 桜川光江さん幇間 (太鼓持ち)
櫻川七好さん地方多賀流家元多賀家梅若路さん太鼓持ち七好さん、あるときは色っぽい花魁、あるときは腰の曲がったおばあさん、そしてあるときは大旦那・・・と芸達者でお客を飽きさせません。
七好さん曰く「あたしたち幇間てぇのは天然記念物なんです。早く言やぁ絶滅寸前、もう日本に数人しかいないんですよ」とのこと。
踊りも話芸も地方(じかた、三味線や太鼓など演奏担当者)も、全てに半端じゃない芸を持っています。
一朝一夕にできる芸ではないのでしょうが、絶滅しないことを願うばかりです・・・。
「かっぽれ」はとにかく明るいし楽しいです!大きな声で掛け声をかけながら元気一杯に踊ります。伊勢音頭、大津絵、奴さん、深川、けんかかっぽれなどどれも短い曲ですがそれぞれに面白く、そのあとで「かっぽれ豊年踊り」と続きます。
光江師匠曰く「大きな声でみなさんを驚かして踊りが上手いか下手かなんて分からないうちに終わらせるのがコツなんですよ」なんておしゃべりも面白く、慣れたお客さんは良いタイミングで声をかける・・・粋な世界があるんですね。
さて三枚目の写真は3月6日に一宮庵で行われました「獅子舞&かっぽれ」です。日本の伝統芸能や文化を楽しむ(日伝楽)の3回目の企画で、一宮庵特製のお料理とかっぽれを堪能していただきます。塩崎博先生(歌舞伎ワークショップ講師)には獅子舞とかっぽれについての説明をしていただきました。
先生のお話が入ることで会がとても引き締まる感じがいたします。
今回は人数も15人というコンパクトな会ですので、幇間も生の三味線もありませんが光江師匠とお嬢さんのお二人が獅子舞から始まって、かっぽれまで元気一杯気合の入った演技でみなさんを楽しませてくれました。獅子舞を舞いながら御祝儀の渡し方のレクチャー、芸者衆はお座敷の鴨居に米粒でお札を貼ったり、日本髪に縦長に折ったお札を挿したりするとお獅子がとっても上手く食べるのだそうです。
要するにお獅子はとってもお札が好きなのです。硬貨はお獅子の歯が傷つくので嫌いだそうです。(ちなみに獅子の歯は金歯でした)みなさんお獅子の好物を食べさせて、パクパクと頭を噛んでもらったりして大うけでした!
かっぽれは前座に伊勢音頭、深川、けんかかっぽれ、そしてかっぽれ豊年踊り。けんかかっぽれはお二人の息もピッタリ、きびきびとした所作で踊ります。
お客さんの中には新内のお師匠さんもいらして、掛け声も絶妙!まさにお座敷芸!
あっという間の1時間半でした!あんなに大きな声をだしたり、のびのび踊ってみたら楽しいでしょうね!きっとストレスなど吹き飛んでしまいますよね!
次の会は多分5月ごろ、いよいよ「薩摩琵琶」です。どうぞご期待くださいませ。
平成二十二年三月二五日
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