我が家を旅する

自粛、自粛、自粛と脅迫されるような日常を、ある会報誌に 「家を旅する」と題して寄稿した。

で、夏の仕事場を旅をして一ヵ月。ぼろぼろになった雑巾をしばし見つめていた。こいつらにも意地と誇りはあるのだろう、なんてちと感傷的にもなったな。針供養、茶筅供養などのセレモニーに参加したことがあるが、雑巾供養があってもいいだろう。

漂白をしっかりして純白になったところで、さて、何を拭いて棄てようかな。

 

立ち止まる旅を楽しんでいたが、駆け足の旅で大失敗。風呂場に飾ってあったビーグル犬コレクションの中で、もっとも思い出がある4体のうち、ふたつのフィギリン (ノーマン・ロックウエル) を壊してしまった。一瞬、こっちも壊れそうになったな。修復は終了したが、ノーマン・ロックウエルのことを新たに知ったり、彼の画集をボストンの本屋で眺めていた40年近く前のことを思い出したり、風呂場だけでも満足な旅が出来た。

 

キッチンではこれまた大切に使っていたピッチャーを割ったのだ。修復できるものは金継ぎで復活するが、このピッチャーだけは不可。

でも棄てられないのだ。未練たっぷりなのが厄介だな。

まるで自分を眺めているようだ。

 

 

バースデー・ビンテージ

モスクワで買った1950年作の旧東ドイツの名窯の小皿。これも割った。そもそもワン公のエサ容れにしようとした不遜な考えがよくなかったのか。破損した形をそのままに残して玄関先に飾ったら、カッコいいかもな。

 

 

令和二年八月八日

 

 令和二年一月から七月 「最近の事 」

令和元年 「最近の事 」

旧 「最近の事 」

 


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