元を正せば写真ってパクリですよね。カメラマンになったばかりに読んだ本が重森弘淹の「写真芸術論」でした。写真を強引に背伸びして芸術論に持ち上げたところがつまならなかったですが、「押したシャッターの総量がその写真家の技量」とさらりと言った東松照明の言葉が今も心に残っています。
「我々は他者の権威(被写体)によって生かされている。撮った人間より撮れれた人間、風景、あるいは雑景などレンズの向こうにいるヤツが偉いんだ」
リチャード・アべドンが雑誌のインタビューに答えていたが、写真の本質を突いております。
上の写真は萩ガラス工房で撮影しましたが、別々に撮った窯と器をひとつにしました。カメラマンというより、レタッチャーとしての誇りと意地でMacと対峙しているこのごろです。
ガラス工房の作品展がA246ギャラリーで開催されております。ガラスの材料となる石英玄武岩の品格ある緑がじつに美しいです。
そして何よりも魅力的だったのが、幕末のガラス技法の復権を試み、また「ガラス質結合剤による高機能性多孔質セラミックフィルター」の研究開発への意欲を語っていただいた藤田洪太郎代表でした。
「次回は北浦産のウニをたらふく喰わせる」と豪快なお誘いもいただきました。
平成二十年 七月三十日