ポチのメル友マースが遊びにきました。まさに美犬の冠にふさわしい女の子。彼女のご主人がお持ちになったスケッチブックにサントン人形が描かれていました。偶然でしょうが、先週までこのサントン人形の故郷プロヴァンスで城館ホテルの撮影をしてました。

 マースのご主人は磁器絵付もたしなみます。次回作品をご紹介いたします。野菜を描いたお皿は必見です。

 回の目的は、男前のギャルソンを撮ることでした。もちろん妙な趣味はありませんが、被写体としては女性より惹かれます。お持てなしの心を存分に発揮する男たちは、とても艶っぽく逞しくもありました。
 夕食を終えた後、サロンでコーヒーのサービスを受けました。

 今月のポチは、先月に続き「美犬マース 登場!!!」です。ドミールのクロも名古屋のトトも遊びに来てください。

平成14年12月16日


 冬支度で浅間山に来ました。まだ青い葉が2割、紅葉が7割、残りは痩せ細った枯れ枝。
朝夕の寒暖計はほぼ零度を指しています。トイレに行くのにかなり億劫です。散歩の途中、ラブラドール軍団に遭遇。みなお利口さんでしたが、ご主人たちは、さらにお行儀のよさそうな方ばかりでした。
 楽しそうに遊ぶラブラドールたちを眺め、思わず、ポチの姿が浮かびました。

 

 10月初旬にポルトガルに行ってました。取材対象は犬ではありませんが、僕の自在レンズが向いた先は、これまたお利口さんなワン公たち。攻撃力と守備の固めを同時に備えた強者たちでした。

 今回の取材は、アレンテージョに点在する国営の城館ホテル。
「欧州旅籠篇」 取材リストに追加しました。
http://jpmuseum.com/locations/locations3/locations3.htm#portugal
柔らかい物腰でドアを開けてくれた給仕くんの笑顔が、思い出のひとつとなりました。

平成14年11月1日

 シンガポールでお月見を愉しみました。太陰暦8番目の月の15日、つまり9月21日です。宿泊先のホテルが、ムーンケーキでもてなしてくれ、チャイナタウンの屋台ではポンタンや様々な菓子が売られていました。そして感動したのが“アジアの翼”の機内食サービス。
 黒々とまん丸い山をなしたキャビアは、笑みを浮かべた満月のようでした。そのツブツブ淑女に向け、僕はしずしずとカメラを構えました次第です。
 今回の取材は「中国茶の流儀」。かなり大雑把な作法ですが、濃厚な味わいも感じました。

 

 家に戻ってすく迎えられたのが、ご覧の栗。漆器作家の大蔵信一さんから戴きました。今宵の晩餐は納豆、湯豆腐、サンマの網焼きに決めていますが、栗ごはんが追加しました。外皮剥きはオクサン、渋皮は僕の担当です。
 水上勉に習って、渋は多少残します。甘みが増します。


 ちなみに大蔵さんの個展が10月10日まで下記で開催されております。艶っぽい漆器の世界。日本的教養を学びたいところです。
 素敵な住宅街の一角に、ひっそりと「彩香」がたたずんでます。
 ここは建築物としても必見です。

彩香

東京都世田谷区桜新町2-5-16
Tel:03・3429・1165
無休 10:00〜19:00

 

平成14年9月26日


 

美しい人

 あるサイトにあった写真を了承のもとに借用しました。「 古座間味ビーチで娘と遊んだ」とWEBマスターは結んでいました。僕は娘がいませんので、とても、とても羨ましく思いました。
思えば、僕の両親も女の子を欲しがっていましたが、ちょうど40年前、両親は或る女子(当時3歳)の里親になりました。まあ、僕の妹ですね。彼女は今では二人の子供に恵まれた母親です。

 ここ1週間、男女、また親子という命題と格闘しています。時によって親子は互いに敵意も持ちますが、やはり尊敬、安息の対象でもあります。そんな思いがこの写真に込められていました。

 僕は海の子と自認するこのごろ。知人のヨットで太平洋の風を浴びなら、生ライムをギュッと絞ったタンカレイを舐めた時、与那国の海中30メートルで無重力に近い快感を愉しんだ時に確信したのが、海の恩恵でした。

 或る詩人が「海とういう字に母ががある」といいました。不思議とフランス語の母(mere)のなかに海(mer)があるのですね。すべての生命は、母なる海、海なる母から誕生したということなのでしょうか。

 古座間味ビーチで黒い衣装を纏った女性、何故か、とても美しい人と思いました。

平成14年8月15日

 「朝日カルチャーセンター」で「ヨーロッパ陶磁の源流」と題してお話をしてきましたが、ヨーロッパの分厚い伝統、歴史、文化を追究すると不思議と日本のプリミティブな世界に突き当たります。フランスでは「ジャポン」と呼称される漆の世界に惹かれています。
 
 我が家でも漆器を意識して使っておりますが、漆器作家の大蔵信一さんの作品にはぞっこん惚れました。
 
 木肌の質感を生かした彼の作品は、輪島塗りにはない柔らかさがあります。
この度大蔵夫人が作品をかかえてベルサイユに向かいました。目的は「トリアノンパレス」のグラン シェフ,ヴィエさんにお会いし、漆の世界に触れて戴くことでした。「
 椀ものは難しいが、平皿はフレンチと融合する」とのこと。漆黒の御園棚がベルサイユの森に映えていたのを思い出します。


平成14年8月5日
 

 
 

 Macと酒とヨット、さらに単車が恋人であるという欲張りなH氏宅で遊びました。完璧な防音を施している為か、英国紳士のような澄まし貌のウエストミンスターたが、大いに僕らを揺さぶりました。

 ワーグナー、サッチモが我が五臓六腑に心地よく響き、諭し、癒し、励す。
 清澄なガラス器に盛られた逸品は、これまたH氏自慢の御夫人による野菜をベースにした料理。僕はその相性を予想してヴーヴ・クリコを抱いて参じたのであります。
 
 そう、相性といえばまだありました。一緒に伺ったO氏の北海珍味の数々とW氏のカラスミ、そしてY氏秘蔵のモルト・ウイスキーが、僕の舌の奥で絶妙な競演を披露してくれました。

 

ポチの恋人誰かと思ふ 神の創りた浅間山のチビ

 ポチが元気だったころ、浅魔羅山荘で4泊5日の無断外泊したことがあった。捜索願いのチラシを保健所をはじめ、警察、銀行、食堂に配ったが、一報をくれたのが郵便配達の人だった。
 ポチは山荘から約5キロ離れた牧場にいた。彼の目的はひとつ。浅間山のチビに逢いに行っていたのだ。
 
 先週、ポチの恋人に会ってきたが、彼女は猫と遊んでいた。
 牧場のご主人曰く。「ポチとチビは仲よかったね」
 今、思えば、ポチは猫のような犬だった。猫好きのチビがポチを嫌うことはない。
 もしかして、ポチの子供が浅間山麓を駆けてまわっているのだろうか。


平成14年6月27日
 あれから一ヶ月だ


 

 
 

 バレンシアとグラナダを廻ってきました。リヤドロの可憐な磁器小像も以前と変わらぬ笑顔で迎えてくれました。バレンシアは太陽の街ですが、意外と涼しかったのには驚きでした。

 現地通貨はすでにユーロ。スペイン・ペセタの象徴であった「カルロス1世の肖像」は見ることはできません。この7月には完全にペセタは消えてしまいます。お金はその国の貌でもあるのに旅行者にとってユーロの表情は退屈ですね。
 上の写真はごくふつうの民家の壁です。生活を愉しむ彼らの姿勢を僕らは見習うできでしょう。

 

 僕は写すより写されるのが好きなカメラマン。
 アンダルシアの絵皿よりゆらめく自分の影を撮りました。意外とこんな時、チカッと妙案が閃くものです。そのアイディアを煮詰めるために、90度近いアニス酒が待っている午後のバーへ向かいました。
 
 旅も終わるころ、「今月のポチ」でも紹介したジローが亡くなったというメイルを受けました。彼もポチと同じ老犬で享年17歳。そういえば、初代ポチも旅行中に逝っちゃったなぁ。
 
 日向ぼっこをしながら目を細めていたジローが偲ばれます。
大往生のジロー、安らかに……


平成14年5月17日

 

 

 
 
外濠公園の桜も散りつつあります。今年の開花は本当に早かったです。咲いて散って……このせつない短命に僕らは心を奪われるですね。
 最近ムービーを配信するストリーミングの勉強をしております。ブロードバンド環境でしたらストレスなく受信できますが、ISDNでしたら35ミリサイズの画像がやっとの状態です。我が家ではADSL8MBですが、実測の下りは6MBほどです。下り100MBが当たり前になるのは、いつの頃でしょうか。

 ヨーロッパの陶磁器シリーズ全6巻が台湾(麦田出版)で翻訳されることになりました。最初の配本は3巻まとめて5月ころです。池波正太郎、有吉佐和子、瀬戸内晴美、宮本輝、柳美里、江國香織など日本人の翻訳ものが多い出版社です。上海の出版社からも打診があり、出版不況の僕にとっては有難いお話です。
 
 ポチは日を追って後ろ足が弱ってますが、食欲だけは、まったく衰えません。若い頃はダッコされることを極度に嫌がりましたが、最近は目を細めながら僕の腕の中におります。
 「今月のポチ」アップしました。


平成14年3月27日

 

 

 白雪姫と名付けたiMacの頭に冠したのは「iVisit 世界」を愉しめるデジカメ(Che-ez!)です。アルコールも切れ、無気力な時など、iVisitにつくった小部屋「A10」「GLAY FAN」でチャットを愉しんでます。

 この新しい世界は緑のiMac(ピーターパン=医師のY先生が命名)を直してくれたエンジニアのO氏に教わりました。
 なんと公立高校の校長室にも小部屋もあり、しばし校長先生とおしゃべり。iVisitは相手の仕草や顔がリアルタイムで伺えるので初めての方でも親しみがわくのが特徴です。なかには不埒者もいますが、まあ、それはどこの世界にもいますね。

 変な闖入者には撃退するマニュアルも用意されていますから安心です。仕事に打ち込むH氏、愛用のシネマディスプレイに向かうO氏の姿を白雪姫で拝見するのが、なぜか一服の清涼飲料水を戴いたような気がします。
 全快したピーターパンは、MP3をごっそり搭載してお月見台専用となります。

 僕も参画している「古民家に暮らす 仮題」(講談社インターナショナル)がこの4月に発行されますが、憧れの生活がたくさん載っています。是非、お読みください。いや買ってください。 
  

平成14年2月4日

 
 
大晦日は酔い潰れて7時に寝てしまい、新年の2時に目が覚めました。
 午前3時ころ徒歩で靖国神社へ。若い人を中心に、人出はかなりありました。興味があったのは屋台の種類。

 というのも先月17世紀初頭からつづくクリスマス市を取材にドイツへ行っていたのですが、ツリー飾り、玩具、書籍、編み物、衣類、陶磁器などを売る店約200軒中、飲食系の屋台は焼きソーセージ、レープクーヘンの菓子類そして香辛入りの澗ワイン程度でした。

 ドイツ人にとってこの市は、新年を迎える日本人の心情と近いものがありますが、食生活の違いが屋台の種類の数となって表れていました。
 
 
靖国の参道を埋める飲食系屋台はボクを圧倒しました。ヤキソバ、タコ焼き、焼き鳥はもちろん、各種串焼き、きりたんぽ、おでん、焼き貝、焼きイカ、お好み焼き、おやき、天心などなど。フルーツまで切り売りでありました。いやはや、驚きです、この種類。思わず全店をデジカメしちゃいました。

 日本人って、食べることに貪欲だったんですね。確かに普通の家庭の主婦が和食、洋食、中華、エスニックと当たり前に料理しますが、彼女らのレシピの種類は、世界的にみても一番ではないかといつも思ってました。
 今年は日本の食の源流を取材したいものです。
 

平成14年1月元旦

 

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