一宮庵での「マイセンで戴く懐石料理」、2日間にわたって無事終了しました。あと数回分の参加希望者は、通常のゲストとして来庵されるようです。
 
  器がマイセンといっても「ブルーオーキッド」のような柿右衛門手を多用したためか、まるで和食器のように馴染んでいました。コーヒーカップに盛ったお汁粉もなかなかの出会いだったようです。
  300年ほど前、柿右衛門を競って写していたマイセンの絵付師たちは、自分たちの器にお汁粉なんて想像もしなかったでしょうね。午餐の最後は齋藤宗厚先生のお点前で薄茶のサービス。

  床の間に海外で活躍する齋藤宗厚先生の写真を数十点投射しました。遊びが乗じてBGMにビバルディ、さらに調子にのってビル・エヴァンスも流してみました。畳立礼にジャズ、これが絶妙に調和していたのですから不思議でした。


 ネギも元気です。久しぶりに更新しました。

 ちょっとまだ早いですが、みなさま、佳いお年をお迎えください。
 

 
平成16年 12月8日

 

 


 39歳のとき、史上最短でミシュラン三ツ星を獲得したジョエル・ロブションのメニューに驚きました。「ヘデニスト(快楽主義者)・ディナー」というらしいですが限定20名でその価格は百万円。でもその6割は1864年物の「ラフィット」、1921年物「シャトーイケム」などのワインらしいです。
 それにしても料理だけで40万円とは凄いですね。こんな企画、本場のフランスやヨーロッパ諸国で通用するのでしょうか。

 一方の雄、アラン・デュカスは辻調グループ校と新しいプロジェクトを発表しました。その打ち上げが先月フランス大使公邸で行われましたが、よんどころない事情で出席できなかったのが悔やまれます。辻静夫雄さんがフランスの料理界に与えた影響ははかり知れませんが、今回はアラン・デュカスの恩返しなのでしょうか。

 お料理といえば先月お伝えした「マイセンの名器で戴く茶懐石」。参加者募集の日に定員となり、特別に翌日も追加されることになりました。ロブション、デュカスと彼らの味は知っているつもりですが、一宮庵で戴く齋藤宗厚さんのお料理も格別です。
 そう、僕は雑食、粗食の我が家で快楽主義を究めたいです。

平成16年 11月2日

 


 このページで何度もご紹介している一宮庵の齋藤宗厚さんが考案した移動式茶室です。
 
  自在という日本的知恵を最大限に生かした造形物でもあります。床の間は開閉式になっており、普段は扉を閉めておきます。

 畳椅子には折りたたみ式キャスターもついており、収納スペースとして利用できるのが有り難いですね。
 


 洋間にもご覧の通り。不思議と和の空間より洋のほうがしっくりと収まっています。畳椅子は使用しない時は積み重ねて置くこともできます。畳面だけではなく、側面には引き出しも付けるようなので、重ねて置いてても利用価値が高いですね。
 「一器三様」を提唱する齋藤宗厚さんの新しいインテリアの提案でもあります。

 来月30日は僕が企画し、某カード会社が主催する午餐会が一宮庵で開催されます。
  テーマは「マイセンの名器で戴く茶懐石」。ドイツ人の手業と齋藤宗厚さんの真剣勝負が愉しみです。この企画はヨーロッパ陶磁器の原稿に幅とアクセントを与えてくれそうです。

 そうそう、浅間山がご機嫌斜めです。幸い我が家は降灰などの影響はほとんどありませんが、相手は大自然なので溶岩に押しつぶされても諦める覚悟です。鬼押し出しには無抵抗主義で対応するつもりです。

 ご機嫌いいのが、ネギだけです。我が家に来ての「一周年祭事」も終えました。ついでに重陽の節句、お月見でもしっかりご褒美を戴きました。

平成16年 10月5日

 

 


 この夏に浅間山で素晴らしい陶芸家に出会いました。草津の静可山のふもとで作陶されている山口洋史さんです。彼が主宰する「美土里の洞」(0279-88-8383)に伺い、さっそく写真を撮らせていただきました。

  昭和40年生まれの山口さんは、昭和56年に人間国宝・松井康成の内弟子となり、平成元年に故郷草津に窯を築きました。 
  陶土の風合いを生かし、繊細と剛質が交互に織りなすその形は、とても美しいです。アルバカーキーの美術館で観たアメリカインディアンの造形を思い浮かべました。



 というわけで、山口さんに大皿と花器を所望したところ、快諾していただきました。大皿には氷をいっぱい入れ、ビール、ワイン、トマトなど冷やして愉しみました。

 草津の窯の裏には野菜畑もあり、そこで採れた大根、キュウリ、カブ、チンゲンサイ、バジルなどもご相伴にあづかりました。 極めつけはスグリ、サクラの実、山ブドウのリキュール。もちろん山口さんの自前です。ソーダで割って呑るとこれがなかなかの美味。クセになりそうなお酒でした。

 あっ、まだありました。これまた山口さんから差し入れされた赤城の豚。ステーキ、しゃぶしゃぶとこの夏は豚三昧でした。


 常連のM夫妻につづき、毎年この時期に浅間山にいらっしゃるH氏からはカタルーニャの銘酒、「セグラヴューダス アリア」を12本もカンパされました。罪深きデクスター・ゴードンのサックスとの相性が抜群でした。

 そうそう、カメラマンのA・M氏は、漆黒のポルシェ911で山荘に来訪。相変わらず荒稼ぎしているようです。最近は「南極ツアーにはまっている」と不愉快なほどに豪快に笑っていました‥‥‥ウム、羨ましいかぎりですね。

 ネギの夏休みも終わりました。来月の26日で我が家に来て1年目になります。浅間山では先代ポチの足跡を辿っているようでした。

平成16年 8月30日

 


 先月のポルトガル取材は、昨年につづきアレンテージョ地方。 この地方は檀一雄によって紹介されていますが、何度行っても飽きません。一言でいえば、ホットするところなんですね。
 
  天正少年遣欧団のお話はNHKの「その時、歴史が動いた」で観ましたが、彼らが泊まったエヴォラにも立ち寄りました。少年たちが見た光景を、僕はしずしずとカメラに収めました。



 昨年からある冊子に職人シリーズを連載しています。僕の担当は裏表紙、そして表紙は東山魁夷さんです。
  そう、画伯とは1980年にパリでご一緒にお仕事をさせて戴きました想い出があります。プチパレで「唐招提寺展」が開催され、画伯はその襖絵を披露したのです。
 鑑真和上の乾漆像、幽玄な襖絵が織りなす日本美‥‥‥パリっ子たちを魅了していました。


 えっ、ワン公のネギですか。
 元気、元気、元気です。メスのフレンチブルドックと逢うのが愉しみなようです。  

平成16年 6月29日

 

 

 

 久しぶりに集中して撮影してました。それも2日間中腰でカメラを構えていましたので、腰、背筋が痛くなりました。今回は成城の女将、齋藤宗厚先生のお料理。
  料理をすべて炊飯器で造るという企画でした。
 写真の 五穀などは同時に炊飯器で炊きあげる‥‥‥さらに鯛飯パンなど40品ほどがつづきました。
  本が完成しましたらその一部を公開いたします。

 オカラケーキはご覧のとおり。炊飯器の底のアールが見事に利用されていました。

ネギの端午の節句です。

平成16年 5月31日

 

 

 瀬戸市文化センターで写真展「ヨーロッパ陶磁の旅 職人の手業」〈4月17日から6月20日〉を開催してます。陶磁の旅をはじめてから23年間のストックから100点を選びました。
 オープニングには市長も参加してのテープカット。嬉し恥ずかしの1日でした。
 

 今年のお花見は都合3回。もちろん我がワン公も一緒。彼のための特別花見弁当もつくりました。

平成16年 4月27日

 

 

 

 日本には「よびつぎの文化」というもがあります。これは修復の美でもあります。「継いであるためにいっそう美しくなった場合もある」と白州正子さんは『風姿抄』で語っていました。
 グスタフベルグ窯の陶工、スヴェンさんから戴いた花瓶が凍結のために割れてしまいました。無念の思いで二年が過ぎましたが、ご覧のように素晴らしい金継ぎによって蘇りました。
  繊細な金の筆致は、絵付けを本業とするKさんの「作品」でもあります。さぞスヴェンさんも喜んでおられると確信します。
 Kさん、ありがとうございました。

 

 ヨーロッパ陶磁器シリーズの中国語翻訳版〈英国編〉がフランス編につづき刷り上がりました。磁器の御本家でも洋食器の人気が高まっているようです。写真やデータはすべてDVDで現地に郵送しているので、従来とは違いフイルム紛失、損傷など不安が解消されました。
 

 ネギが雑誌に登場しました。
 詳細はネギのページへどうぞ。

平成16年 3月27日

 

 

 

 ワン公たちもフランスのスキー場では優雅に過ごしていました。今回はヴァルトランスとクールシュヴェルを犬のように駆け足で巡ってきました。

 立ち止まる旅をモットーにしてきましたが、このご時世、かのワン公のようにはいかないのが実情ですね。

 日本ではスノボもふくめスキー人口がこのところ減少しているようです。一昨年は1600万人のスキー客だったが昨年は1000万とニュースは伝えておりましたが、フランスでも同じく減少しているようでした。遊びの世界も選択肢が増え、身近なところでヴァカンスということなのでしょう。

 ところで我がワン公、ネギにフレンチトーストをおやつに上げたら下痢が止まりません。2時間おきに排便のための散歩です。彼にはやはり野菜がお似合いです。
平成16年 2月18日

 

 あけまして、おめでとうございます。 

 昨年のお正月って数秒前に思えます。恐ろしいまでのスピードで時を刻んでいます。のんびりと過ごしているつもりですが、時間って厄介な魔物ですね。
 

 今日はお天気もよく、ネギと近くの神社に初詣。カミサマにとくにお願いすることはありませんでしたが、一応、神妙に二礼二拍手一拝。美味な御神酒は巫女さんからしっかりと戴きました。

今年の8月で御璽が台座を満たすが‥‥‥

 

 10年来お世話になっている茶懐石の齋藤宗厚先生。彼女の神棚に鎮座していたこの造形に惚れました。笠間の稲荷神社で月次祭に祈祷を受けるとこの御札〈御璽 みしるし〉を戴けるのです。
  台座には12コの口があります。つまり1年かけてこの口を飾るのです。飾ると表現したこと自体、信心の程度が知れますがね。

 そう、ラジオ体操でハンコを押して貰う充実感にちかいです。カミガミはさておき、今年も美しい造形をカメラに収めたいです。

平成16年 1月1日

 

 

 

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