花見

 ヨーロッパの彫刻素材は伝統的にブロンズか大理石でしたが、18世紀初頭、白色磁器焼成に成功してからは、細工が容易な磁土を用いた塑像を制作するようになりました。

 磁器小像は立体物でもあるので、後ろ側も気になりますね。某著名シェフがこの後ろ姿の男女が気に入り、メニューのアクセントとして御使用となりました。

 下の写真はフランス国立セーブル製陶所のビスキュイ。英語で云えばビスケットですが、ルイ王朝時代には、砂糖の塊をこのように彫刻し食事の合間にチョコチョコかじっていたらしいです。

 以後食卓飾りとして、絵付けがされていない無釉薬のビスキュイが18世紀のヨーロッパ諸国で流行しました。同じくデザートメニューで美肌をさらしております。

輪郭の飾り

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 テレビドラマに刺激され、カンパニュラの押し花に挑戦。一週間後、重しにしか役に立たなくなったPower BookG3をどけてみてガッカリでした。テレビではきれいな押し花だったんですけどね。

 で 、それを透過光で撮影しましたら、レントゲン写真のようになりましたが、和紙にプリントしたら、少しは報われたような気がしました。淡いパープルに着色したら、絵はがきにもなりそうです。

輪郭の飾り

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 「今年の夏は暑そうっっ。」毛皮同士が確認しあっているようです。はやめに浅間山麓あたりに待避するのが賢明のようです。

平成二十一年六月三十日

輪郭の飾り

 


花見

 ヨーロッパの陶磁器を撮影して30年ちかくになりました。そのカット数は数万枚にのぼります。膨大な写真をモニターでランダムに眺めていたある写真エージェントの方が「皿だけの絵付け、女性が描かれた皿だけ………」とぽつり。

 うむ、チカッと妙案。その話を某出版社に話しましたら、「素材集的な陶磁器の見せ方は大変面白い」と企画を練り始めました。

 期待しております、はい。夏に向けての陶磁器の新作が発表されており、その撮影でも新しい視点でファインダーを覗いてます。

輪郭の飾り

花見

 学生時代からお世話になっている古賀俊昭都議の選挙ポスター撮影現場、といっても我が家です。ワン公もウロウロし、文字どうりアットホーム然としたワンカットですね。東京都の建設住宅委員長、都議会自民党総務会長、監査委員等を歴任。平成16年には藍綬褒章を授章されています。

 30年ほど前、はじめて古賀さんを我が家で撮影した時は、背景紙がなかったので、息子のシミがビミョウに残ったシーツで代用してましたっけ。 
 初代ポチも、同じようにウロついてましたね。

 古賀さんの趣味は、土方歳三。彼の生誕地が日野だというだけで、縁故地縁も何もない日野を選挙区に定めたのでした。

 

輪郭の飾り

花見

 和風造形家坂田さんの展示会。素敵な香りが漂う「銀座香十」で撮影しました。お香の老舗らしく、静寂と優美があたりを支配しておりました。

 家紋をマグネットで簡単に装飾できる「Mag華紋」の特許を取得し、ますます意気盛んな坂田でした。

平成二十一年五月三十日

輪郭の飾り

 

 


花祭り

 知人の子供さんが花祭り(潅仏会 かんぶつえ)の子育祈願祭に参加するので、ご相伴させていただきました。花祭りは釈迦の誕生日で誕生仏の像に甘茶をかけて祝います。
 ご覧のように稚児の衣装は平安装束。男子は烏帽子、女子は天冠を被る袴姿。じつに優美な祈願祭でした

 「あっ、くつ下はいてるぅ。」とワン公に歩み寄り、病をかかえた老犬ゆえの諸般の事情だと分かると、「頑張ってくだしゃいぃぃっ。」とうれしいお言葉。さすが長者さまより甘茶をいただいた効き目なのか、ヨレヨレのワン公にも仏心をもって接してくれました。

 

輪郭の飾り

花見

 花まつりといえば、お花見でもあります。借景のなかで毎年苦笑を刻むソメイヨシノは、今年も独り花見を見守ってくれました。この桜が散ったころ、となりの八重桜数本が咲き始めるのが楽しみですね

 へうへうとして 発泡酒を味ふ (半分、山頭火)

 寂しいぞ 一人五本のゆびを開いてみる 放哉

 

輪郭の飾り

本郷さんからのプレゼント

 八重桜が散ったころ、絵付師のH氏が来訪。新作のプレゼントでしたがご覧のようなパッケージを開けましたら、ガラスの箸置きが入ってました。

 

輪郭の飾り

本郷さんからのプレゼント

 板ガラス2枚を溶解して生地から制作したようです。背面の金彩が複雑な乱反射をしてとてもきれいです。文様は本漆ですが、しっかりとガラス面に吸収しておりました。ガラスに漆で装飾という着想が素敵です。
 
 とても気に入ったのが手触り感。握っていると妙に安らぎ和むのです。ヒーリング&パワーストーンと銘打って怪しげなサイトで通販している握り球なんかよりも実用性がある握り箸置きでもあるのです。
 はい、「用と美と安」の食卓飾りでもあります。

 粉末にした万能玉ねぎを容れてあるガラスの小箱もH氏の作品で、桜が絵付けされており、この季節には欠かせない器です。

 

輪郭の飾り

本郷さんからのプレゼント

 「用と美と安」といえば先月もお伝えした「一朝有事」を提唱する斎藤宗厚先生の缶詰でもありますが、強者っているもんですね。

 「缶詰ナイト2 〜地方のこだわり缶詰一挙公開!〜」という催事に参加しました。ソノ道の缶詰博士と呼ばれる人や缶詰工場の人などのお話が、不思議なほど盛り上がっておりました。

 ネットで調べると、缶詰マニアのオンパレード。お土産にいただいた「冷麺」は、かなり美味しかったですが、ウニとアワビを使った贅沢な潮汁の缶詰(1,365円)はとても興味がありました。

 

輪郭の飾り

豊田くん

 贅沢な潮汁といえば、小学校時代のT君から感動の魚をいただきました。「根ホッケ」といいます。僕は函館出身で50年前ではホッケは雑魚扱いでしたが、「根」を冠したホッケを彼からはじめて教わりました。

 説明によると根とは海草の根のことで、回遊(運動)しないでひたすら根を食べているホッケらしいです。つまり超メタボなホッケなのですね。

 開きで焼いていると、右に小錦、左に曙がドテッとした感じで、お皿に盛りつけるとき、ニタリと笑ったような目をしてました。
 味をあえていえば「濃厚、だがしかし、サッパリ味」ってとこでしょうか。

平成二十一年四月三十日

 

輪郭の飾り

 



雛人形

雛かんずめ

 
 
小学校時代の友人が来訪。大学時代に会って以来、じつに30数年ぶりの再会でした。話題にはでませんでしたが、僕の思い出はいつも元気に笑っていた二つ編みの「もっちゃんち」での雛祭り。

 みなは蟹のチラシ寿司、桜餅を頬張っていましたが、男子では僕だけが雛飾りに興味がありました。女子は「メンコイィィッ」って連発していましたが、三人官女の暗闇の森に迷いこんだような視線が忘れられませんでした。

 中学になって 小林正樹監督 の『怪談』を観ましたが、そのなかの「黒髪」の主人公が雛飾りにあった官女にそっくり。思えば彼女の家が背負った阿鼻叫喚の飾りだったのでしょうか。立派な家ほど、いろんな「財(罪)」を継ぎますからね。

 かつて見た雛人形に染み込んだ湿気払いの意味を込め、我が家の雛さまはヘレンドの磁器と相成ったのであります。

 

 

輪郭の飾り


しんじょ

蟹しんじょ

端午の缶詰

 
 
「雛飾りは、飾ってなおかつ食べられなくちゃ。」と笑みを刻んだのが一宮庵の斎藤宗厚先生。いつも知力、眼力、体力、そして栄養力満載の先生らしい発想で生まれたのが、雛缶(仲間うちでは宗厚缶)。

 ある缶詰職人が先生のためにナムル缶詰を作ったのをきっかけに、缶詰のアイディアは膨らむばかりで勢いは止まりません。標語は「一朝有事」。「飾りつつ非常時に喰らう」、つまり調度品にもなる缶詰でもあるのです。

平成二十一年三月三一日

輪郭の飾り

 



置き炭

燃える炭

 
 
炭はその性質上、「白炭」と「黒炭」とに分けられますが、我が家で使用しているのは「黒炭」の椚(クヌギ)炭です。椚炭は着火性が良く、炎が力強く、切り口が菊の花のような優美な文様が特徴です。

 トイレやダイニングに置き炭として使用してます。炭は脱臭・防臭効果などに効くらしいですが、効果を実感するには、10畳部屋に20kg以上は必要なようです。

 ま、脱臭はさておき、椚炭は手あぶり火鉢(餅を焼きます)か調度を意識した置き炭としてささやかに活躍しております。

 

輪郭の飾り


青木さん

 オヤジ三昧の日々。
 若い娘さんたちへの興味は尽きませんが、オヤジたちもなかなかの味をあぶり出しております。

 豊田市美術館の副館長さんだったA氏とは鮟肝と日本酒で美術談義。「李禹煥展―感性と論理の軌跡」「20世紀イタリア具象彫刻展」 「現代美術―日本の心展」 「ASIANA―もの派展」「トニー・クラッグ展」「黒田辰秋展」「宥密法」「イン・ベッド」「宇宙御絵図」などを企画され、実践的美術館学を提唱されておられます。

 A氏からのメールの署名にはちょっと怪しげな「サオ・π」のサイン。さて、みなさまお分かりでしょうか。
 三日三晩話していても飽きを感じさせない、凛然として揺るがぬ美意識をお持ちのA氏なのでありました。

 

浜田さん

パスタ料理

 最近凝っているのが、H氏から教わった「絶望のパスタ」または「かわいそうな男」と蔑称にちかい名がついた「ペペロンチーノ」です。鷹の爪を使いたいところですが、乾燥輪切り唐辛子。絶望のだめ押しです。具がまったく入っていないので、パスタそのものが勝負となります。ザルそばと同じで、シンプルなだけに奥が深そうです。
 
 山口からいらした広告マンのH氏のコメントは味に関しては特にありませんでしたが、ローゼンタールのプレート(魔笛シリーズ)とカトラリーにはご興味あったようです。
 「孫にも衣装」とはいかなかったようです。サービスを忘れたサラダには、とっておおきのアンチョビを忍ばせておりましたが………。

 H氏は現在山口大学 観光政策学科の院生でもあり、仕事の合間をみて全国行脚。まさに「光を観る」ことを学んでおられるのでした。

 

川崎さん

 
 
さて、オヤジ三昧のトリは、やっぱこの方。某官庁ゲストハウスの厨房を20数年間あずかっている料理人、K氏です。
 1月8日から14日まで、東寺では御修法が行われますが、最終日は天皇の勅使を迎えるにあたって包丁を握るのがK氏でもあるのです。

 そうK氏は若い頃、東寺で精進料理の修行をし、その腕が認められて某官庁からお声がかかったのですね。京風のお料理はいうまでもありませんが、彼の焼く食パン、プリンは逸品です。

 自裁した友人の話を中心に、内外政治談義は尽きません。
 手や肩から、K氏の匂いがむんむんと立ちのぼっておりました。

 平成二十一年二月四日

 

輪郭の飾り

 

 



ご来光

 
 
元旦の午前7時15分。我が家のご来光定時定点撮影です。浅間山麓の山荘には及びませんが、窓越しの光景は僕にとっての森です。

 新年早々自慢になりますが、元旦の目覚めも小鳥たち(たまにカラスも)の声に迎えられました。
 
 今年も強引に明けてしまったのですね。

 

輪郭の飾り

 

エナガ

 小鳥といえばスズメかなと思っていましたら、大振りのエナガの訪問(というか降臨ですね。)を受けました。ベランダに設置した着脱式の餌台(彼らの豊穣な食料庫は後述。我が家では餅くず、パンくずです。水容れ、餌鉢はボンドで固定)も役にたっているようです。

 エナガだけではなく、向かいの「筑附の森」にはコジュケイ・シジュウカラ・ヒヨドリ・エナガ、コゲラ、ジョウビタキ・ツグミたちが遊んでいるようです。

 かつては「音羽の森」と呼ばれておりましたが、僕だけの野鳥特別保護区に認定した元旦でした。

 

輪郭の飾り

 

 

霊園

 
 
「音羽の森」といえば、護国寺に隣接しワン公の散歩コース沿にある豊島ヶ岡御陵(天皇及び皇后以外の皇族の墓地)でしょうか。この地は宮内庁管理で立ち入りは許可されておりません。
 だからこそ敷地内の雑木林は無垢のままなのです。

 谷筋も見られるらしいです。この谷には湧水池があり、冬になると鴨が飛来するとのことです。30分ほど歩くと「小石川植物園」がありますが、ここも野鳥たちの食料庫なのでしょうね。

 

輪郭の飾り


初詣

 明けて2日。参詣人がまだいない午前7時の山門を独占してきました。絵に描いたように坊様が………

 我がワン公は、「地域ネコ」の餌箱を物色しておりました。

 

輪郭の飾り

 



鏡餅

 アルコールが僕に依存しており、多少困惑しております。その算術は分かりませんが、僕はその器に頼っているだけなのですが、ね。

午餐前の仕上げに、お茶ずけにお新香をいただきました。

 

輪郭の飾り

 

職人

 羨ましい人生を送っていらっしゃる方とお会いできました。写真左は手描き友禅の鎌滝さん、右は銀器の石黒さんです。

 人生の秘訣が、うっそうと佇んでいるような造形にほれぼれいたしました。

 人間の造ったものによって心が動くときって、僕は最も幸福であり、その動機となった作品は侵してはいけない最高のものなのであります。

平成二十一年一月六日
 
輪郭の飾り



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